奇病ちゃんがやってくる
子宮頸がんワクチンの副反応が初めて出たのは、高校1年生の秋でした。
ワクチン接種からは約半年が経っていました。
犬の散歩をしようと準備をしていた私は、突然誰からか「ヒザかっくん」をされたように、崩れ落ちました。
腕を使っても、何をしても立ち上がれなくなりました。
そんな私を見て、飼い犬のリベラが今までにないほどソワソワしていました。
初めての経験でパニック状態になった我が家。
過呼吸でボーっとしていた私は「あ、死ぬのかな」と思ったりしました。
いや、全然死にませんでした。
救急車で病院へ運ばれて、ポ○リスエットのような効能を持つ点滴を打って、異常なしということで家へ返されました。
でも、ずっと手足が勝手に震えるんですよね。
もう西野カナさんもビックリなくらい震えてました。
それで結局、大きな病院で1か月くらい検査入院しました。
ああ、さらば文化祭…。遠足…。受験勉強…。
勉強ばかりしていた子供だったので、当時は受験競争に置いていかれることをひたすらに恐れていました。
撃ち込んでいたものから、離れなくてはならないのは、自分を価値づけるものが失われるようで、とても怖かったです。
入院した病室の年下の子供たちの世話を、やけに焼きたがったのは、何かしら自分を価値づける役割がないと不安だったからかもしれません。
私の元にやってきて早々、悩みの種を蒔いていった奇病ちゃん。まだまだこれから私の心を荒らしてくれます。
でも、荒れ放題の畑も時間をかけて新しい畑に生まれ変わっていきます。
しばらくは荒くれ奇病ちゃんのエピソードが続きますが、ご安心を!
次回、「奇病ちゃんは仲間を連れてやってくる」